氷枕をして壁に向いて眠るゆうきの顔は見えなかったけど、色素の薄い髪の毛の間から見える耳が赤かった。

3日も経つのにまだ風邪は良くなっていないようだった。



「ほんとに何のために体鍛えてるのよ…」



私はアイスを机において、ゆうきのベットにもたれて座った。
ゆうきの少し苦しそうな息遣いだけが聞こえる静かな部屋。


「人の風邪勝手に移っといて、移した人間より長く寝込むなんてバカでしかないよ…」


私は手を伸ばしてそっとゆうきの髪に触れた。