そんな後ろめたさもあって、私はゆうきの家に学校で預かった宿題やプリントを渡しに来た。



「あら、さちちゃん。もう風邪は大丈夫なの?」


出迎えてくれたおばさんは格好からして出かけようとしている様だった。


「ありがと、おばさん。ゆうきに風邪移してしまったみたいでごめんなさい。」


「いいのよ、さちちゃん。ほんと、何のためにランニングして体力つけてるのかしらね、あの子も。」


と言ってくれたから私は笑った。



「おばさん今から出かけなくちゃいけないから、適当にくつろいで。鍵は閉めたらポストにでもいれといて。」


お茶も出せなくてごめんねと言うおばさんに、お構いなくと私は返した。