すると、なんと5分もしないうちに返事が返ってきた。



意外。



【いいけど。
どの問題?】






…素っ気ない。
もう少し打ち解けた気がしてたのは
どうやら私だけみたい。



でも、教えてくれるのはありがたい。
睡眠時間妨害してるかもしれないし、早く返さなくちゃ。







【ありがとう!!
ワークの57ページの最後の問題なんだけど…】




【あぁこれ、難しいよね。
これは面倒なんだけど、2倍角の公式使えばワークの答えよりも簡単に解ける。】





【そうなの?
思いつかなかった…!
ありがとう、解いてみるね!】






【一応参考に解き方添付しとく。
頑張って。】







その二行とともに、西岡くんの綺麗な文字でびっしり書かれているノートの写真が送られてきた。





「頑張って、か…」



普通に、誰でも使う言葉だけど。
今日、西岡くんから言われた「頑張って」は上手く言えないけど。

普通じゃなかった気がする。



「頑張ろっと…」




せっかく西岡くんの貴重な時間を割いてもらったんだもの。



これで再テストなんて、笑い事じゃ済まない。