「甘い…極上の血だな。」
首筋から離れてくれた隙にドンッと押し退け距離を置く。
「血を啜るだなんて、まるでヴァンパイアみたい」
震えながら言うと、男は髪をかきあげ私を睨みつけた。
「ヴァンパイアだよ。正真正銘のな」
その言葉とともに、距離を詰められ荒々しく首筋から血を啜られる。
「お前は俺達の生贄なんだよ、大人しく喰われてろ」
「…っ!いっ…た」
「この味、この匂い、病みつきになりそうだ」
私の髪を一房とり匂う男は、瞳をうっとりさせた。
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