「それで?澤田くんから見て、2人の仲はどう思う?」

「さあ?わかりません」

確かに。2人の仲は難しすぎる。
伊東さんが絡むとややこしくて私にもわからない。

誰の気持ちも繋がっていない。

「山中くんは、やっぱり伊東さんが好きなのかな?あんなに楓と仲がいいのに」

「う~ん、好きなのかもしれないけど本当の気持ちには気付いていないのかもしれないですね」

「どうゆう意味?」

「健吾はもっと独占欲の強い奴だと思いますよ。大切なものが逃げてないから、きっと気付かないんです」

大切なもの?それってやっぱり・・・

「楓ってこと?」

「どうでしょうね」

確信を持ちたい所で何だかはぐらかされてしまった。

「人の気持ちって難しいですね」

「ほ~んと!みんな難しい」

イーって顔して見せると、今度は本当に笑って見せた。
あら!やっぱりいい顔して笑うなぁ。そんな顔して笑うのね。
でも澤田くんとこんな話ができるなんて思わなかった。

「でもさ~、澤田くんがそうやって思っていることを言ってくるなんて思わなかった」

「ああやって健吾の気持ちを揺する今井さんが面白かったからです」

「あれでよかったのかな?誘われて会いに行ったみたいなこと勝手に言っちゃったけどさ」

そこは自分でも反省している。勘違いさせたらやっぱり私のせいだし。

「いいんじゃないですか?心揺れていたみたいだし」

「そうだよね。それに、男友達って言っただけなのに顔色変わっていたしね。あいつ・・って言っていたから相手知っているのかな?まあ、いい方向に行ってくれるといいな・・・楓には絶対幸せになってもらいたいんだ。本当にいい子なんだもん。大きなお世話だと思うけど、私に何かできるならしてあげたいんだ」

「ふ~ん、今井さんは優しい人ですね」

私の楓への想いを投げかけると、澤田くんは肘をつき顎をのせて微笑んで見せた。