「あっ!」

驚いて思わず声に出てしまい、気付いた咲季先輩がそばに寄ってきた。

「楓、どうしたの?」

「あ、すいません。えっと・・友達からメールが来ていて・・」

「なんだ、大きな声出すから何かと思った。友達からメールでそんなに驚く?」

確かに普通友達からなら驚かない。英輔からだったから一瞬目を疑ったのだ。
昨日の今日でこんなに早く連絡が来るとは思わなかったから。


「それが・・この前話した昔好きだった友達からなんです」

「えっ!!何で?話もできないって言ってた人でしょう?何?話せたの?」

咲季先輩はこの前の話を思い出したみたいで、興奮して1歩前に出てきた。
かなり驚いているみたいで、声の大きさに気づいていない。

「先輩!声が大きいです」

「ゴメン、だってあの男友達でしょ!楓が好きだったって言ってた人!」

声のボリュームは落としてくれたけど、勢いは落ちていない。
まあ確かに咲季先輩が驚くのも分かる。
あれだけ昔の思い出やら愚痴みたいなことを話してしまったばかりなのだから。

「何?会うのも悩んでいたのにどうしたの?メール来るって・・何よ~」

あんなに驚いていたのに、今度は二ヤっとして脇腹を突っついてくる。

「も~違いますよ!まあ、確かに2次会の時話しかけてくれて2人で話すことができたけど。何か職場が偶然近かったみたいで、今度食事でもしようって連絡先交換したんです」

「そうなの?なんだ、よかったじゃない。あれだけ気にしていたから私も心配していたんだよ。それで?メールは何だって?」

「メールですか?ちょっと待ってください」

英輔からのメールを見てみる。

【今実家から帰っている途中だけど、2次会のビンゴで全員分の景品があって楓の分を預かって帰って来たから、これから時間があるなら渡しに行こうか?】って内容だった。