「えっ・・・」

突然会話に入ってきた澤田くんに驚き、さすがに近藤くんは言葉を失って呆然としていた。
私だって言葉が出なかった。
唯一澤田くんだけが涼しい顔をして笑顔でいる。

「柚原はこの後用事あるの?」

澤田くんに話を振られて咄嗟に「うん・・・」と答えてしまった。

「なんだ残念だな。じゃあ近藤2人で行こうか。僕も帰り支度するから付き合え。柚原お疲れ~」

澤田くんは微笑むと、近藤くんの肩を組んで半ば強引に営業部のデスクに連れて行ってしまった。

『今のは何だったの?』と少しの間考えていたけど、近藤くんに誘われて彼の勢いにうろたえていた私を澤田くんが助けてくれたのかな?と思った。

普段スマートないい男のイメージだったけど、そこに嫌味がない優しさがあることに気がついた。