「ねぇ~麻里もたまには行こうよ~。彼氏いたっていいじゃない、秘密にするからさ。そんなに彼氏とラブラブなの?」

「そんなラブラブなんかじゃないよ」

「だったらいいじゃん。お金持ちとなかなか出会えないよ~。飲み会だけでも楽しもうよ」

「そうだよ~、ねえ一緒に行こう」

どうするの?伊東さん。咲季先輩も気になるのか、また足を軽く蹴ってくる。
合コン行ったらモテるだろうな、可愛いものね。

「う~ん、ごめんね。やっぱりやめておく」

「え~なんで?もったいないよ」

「行こうよ~」

「ごめんね。私達ラブラブなんかじゃなくて、最近喧嘩しちゃったりしてるからさ。今は疑われることしたくないんだ。本当にごめんね」

やんわりと断る彼女が気になる。

「そっか、わかった」

「うん麻里も大変だね、頑張れ!」

「麻里なら男うけするのにもったいないな。まあ、また誘うから行きたくなったらおいで」

「ありがとう」

そっか、ちゃんと合コンの誘いは断るんだ・・・憎みきれないなぁ。
でも・・健吾とは食事したり、メールしたりしてるのでしょ。
よくわからないよ。伊東さんを理解するのは難しい。


健吾とはどうなのだろう・・・彼氏とうまくいってないなら、もしかして別れたりする?


健吾は知っているのかな?そしたらどうなるの。
視線を上げて咲季先輩を見ると、彼女達の方を見ながらやっぱり難しい顔をしてる。同じことを考えているのかな・・・

彼女たちが話題を変えても、私の気持ちは切り替えられなかった。