「やっぱり・・ばれちゃいましたか?」

分かっているのについ言ってしまう。

「当たり前でしょ。2人話さないし、明らかに空気違うし」

苦笑いしながら言う咲季先輩に、私も苦笑いで返す。

「そうですよね・・・」

無意識に視線が落ちていく。

「全部言っちゃいました。今まで健吾の恋愛応援もしていなければ、健吾の幸せも願ってない。今までずっと嘘ついてきたって」

大まかに話して咲季先輩を見ると、驚いた表情を見せた。そして澤田くんに視線を移すと、困ったような瞳を私に向けている。
確かに私の言動は極端だったから、2人にそんな顔をさせてしまうのは当たり前だ。

「何でそんなことになっちゃったの?」

「外回りから会社に戻る途中に伊東さんと彼氏の喧嘩に偶然遭遇して、健吾と伊東さんが2人で会っていた事を知って彼氏が疑っているって巻き込まれて。この前美好に行っていたのがばれたらしくて。それで私が健吾呼び出して4人で話したんです。関係ないけど私が彼氏の手前2人は何でもないって伝えたけど、健吾は何も言わず彼氏に謝っていて。伊東さんとはただの同僚だから信じてあげてくださいって言っているのを見たら何か・・・悲しくなってきて。その場抜けてきたのに、健吾追いかけてきて。私頭の中グチャグチャになって言っちゃったんです」

あの時の情景を思い出し、感情が乱される。

「楓・・・」

咲季先輩が悲しそうな瞳を見せる。

「健吾の相談のっていても面倒で、もう限界って言っちゃいました。電話くれても無視して、その後健吾に話しかけられても関わりたくないって拒絶しちゃったし・・自分の気持ち断ち切る為に健吾をすごく傷つけてしまいました」

話しながら涙がボタボタ落ちた。自分勝手なことをしたのだから涙流さないように話さないとって堪えていたのに、健吾の顔が浮かぶとまだ心が締め付けられる。
そんな私に咲季先輩が綺麗な花柄のハンカチを差し出してくれた。