予定より遅くなっちゃった・・・
外回りから帰社し、営業部のフロアに入る前にドアからそっと中を見渡し健吾の姿の有無確認する。
これが最近の癖になってしまっている。
あの日から社内で顔を合わせても、言葉を交わすのは仕事に関する必要最低限になってしまった。
なってしまったと言っても、自分がそうゆう空気を作り上げてしまったのだからしかたがない。
『これでいいんだ』と自分の心に言い聞かせる。
想いを絶つ方法はこんな形しか私は知らない。
健吾も最初は話しかけようとしてくれたけど、私の拒絶する空気・態度に今では視線を合わせることもなくなった。
ただ、こうして会社に戻ってきて帰るまでの間に残業する社員の少なくなった中で、すぐそばのデスクに健吾がいる空気が苦しくて、こうしてとりあえず健吾の姿を探してしまうのだ。
幸いなことに、あれから健吾の帰社時間は前よりも遅く、急いで仕事を終わらせ帰宅するようにした私と顔を合わせる日はかなり減った。
急いで帰る私と同じように、健吾もわざと帰社時間を遅らせているのかな・・なんて考えたりもする。
今日も・・まだ帰ってなかったみたい。健吾の姿がないのを確認して、中に入る。
「お疲れ、楓」
自分のデスクに向かう途中、咲季先輩に声をかけられる。
「あっ、お疲れ様です」
笑顔で答えそのまま自分のデスクまで歩き、既に自分の席で仕事している澤田くんに声をかける。
「お疲れ様」
「お疲れ様、今日は遅かったんだね」
笑顔で答えてくれる澤田くんに、同じように笑顔を見せる。
「うん、もっと早く戻る予定だったんだけどね。澤田くんはいつも戻りが遅いから、今日は早い方だよね?」
「そうだね、今日は早めに切り上げてきたから」
「何か予定あるの?」
「ううん、別に」
そう言って、変わらず笑顔を向けてきた。
そうして澤田くんと話していると、デスクの上にコーヒーの入ったカップが置かれた。
外回りから帰社し、営業部のフロアに入る前にドアからそっと中を見渡し健吾の姿の有無確認する。
これが最近の癖になってしまっている。
あの日から社内で顔を合わせても、言葉を交わすのは仕事に関する必要最低限になってしまった。
なってしまったと言っても、自分がそうゆう空気を作り上げてしまったのだからしかたがない。
『これでいいんだ』と自分の心に言い聞かせる。
想いを絶つ方法はこんな形しか私は知らない。
健吾も最初は話しかけようとしてくれたけど、私の拒絶する空気・態度に今では視線を合わせることもなくなった。
ただ、こうして会社に戻ってきて帰るまでの間に残業する社員の少なくなった中で、すぐそばのデスクに健吾がいる空気が苦しくて、こうしてとりあえず健吾の姿を探してしまうのだ。
幸いなことに、あれから健吾の帰社時間は前よりも遅く、急いで仕事を終わらせ帰宅するようにした私と顔を合わせる日はかなり減った。
急いで帰る私と同じように、健吾もわざと帰社時間を遅らせているのかな・・なんて考えたりもする。
今日も・・まだ帰ってなかったみたい。健吾の姿がないのを確認して、中に入る。
「お疲れ、楓」
自分のデスクに向かう途中、咲季先輩に声をかけられる。
「あっ、お疲れ様です」
笑顔で答えそのまま自分のデスクまで歩き、既に自分の席で仕事している澤田くんに声をかける。
「お疲れ様」
「お疲れ様、今日は遅かったんだね」
笑顔で答えてくれる澤田くんに、同じように笑顔を見せる。
「うん、もっと早く戻る予定だったんだけどね。澤田くんはいつも戻りが遅いから、今日は早い方だよね?」
「そうだね、今日は早めに切り上げてきたから」
「何か予定あるの?」
「ううん、別に」
そう言って、変わらず笑顔を向けてきた。
そうして澤田くんと話していると、デスクの上にコーヒーの入ったカップが置かれた。