―――…
―――――…


二人で幸せに寝ていると、突然ドアが開けられた



その姿を見たとき、目を見開いた




「…迎えに来たよ」


優しく笑う修平さん



『どうして、彩海は』



首を傾げると修平さんは私の腕を引っ張った



「終わりにした。君が一番だった。胡桃が好き。大好きなんだ」



『…、修平さん』




私は修平さんの手をにぎり、立ち上がった




「…待てよ、」


横から声がして我に返る



目に涙を浮かべて動かない颯太




『…颯太』




「行くな!俺がお前を大切にするって言ってるだろ!なんでわかんねぇんだよ!汚ねぇ男!胡桃を離せ!消えろ!」



そんな罵声を颯太が発しても修平さんは困って眉を寄せるだけ



「…どーするの、胡桃


俺にするか、颯太にするか」


『――ッ』


ほら、ズルい



どうしようもないほど、ズルい




私が出す答えなんて知ってる癖に




"最低な女"にするのを大好きだよね、君は



そんな君がどうしようもない程好き




『ごめんね…颯太、修平さんの所に行くね?』



「…そーゆーこと、じゃあね、颯太くん」



待てよ!と何度も叫ぶ颯太は何故か金縛りにあってるようで動かない



修平さんと恋人つなぎをして、ホテルを出た




修平さん…修平さん…


―――…
――――…













「…修平さんって、誰?」


そんな幸せな空気をぶち壊すような声が、別の世界から聞こえた気がした