レイラ……

一言で言えば、エリート。

大企業の役職についていた。

ついていた……。

「わかりました。私がやります」

レイラの職場での口癖。

明らかに不条理な事柄も、引き受け自分一人で抱え込む。

次から次へと、新たな仕事を熟していくことになる。

すると、必然的にレイラは何でも出来る女性になる。

レイラ自身も、そんな自分に誇りを持っていた。

だからこそ、レイラは言うのだ。

「私がやります」

裏を返せば「私なら出来る」と自負していた。

職場の人間も皆、レイラに一目置いていた。

レイラの外見も関係しているのだ。


近寄りがたい、独特の雰囲気をはなっている。

ニコニコとしているが、隙が全くない。

ふとした時にみせる、きつい表情。

声は低く、落ち着き払っている。

まるで恐いモノなど無いように見えるのだ。

職場の男性の間では、美人だが自分の女にはしたくない。

同じく女性の間では、優しいけど仲良くはなれない。

これが、職場でのレイラだ。

なら、レイラ自身は自分の事をどう思っているのか。

「私は皆に嫌われている」

あながち間違いでは無い。

さて、冒頭に戻るがレイラは「ついていた」と過去を表す表現を用いている。

理由は一つ。


レイラは、心と体を壊してしまったのだ。


レイラが気が付いた時は、自宅のベッドの上だった。

「ストレス」

曖昧な理由からくる流行り病。

レイラ自身、自分の限界を感じていたが見ないふりをしていたため、いきなり弾け飛んでしまったのだ。

さて、ここで気になるのはレイラの「ストレス」

仕事からのストレスもあっただろうが、他にも理由はあったのだ。