…現在、22時38分。 さっきから、ずっとそわそわしてるオレ。 そこに、コツコツという足音が聞こえてくる。 その音を聞いたオレの肩は、跳ね上がった。 暗闇から溶け込むようにして現れたのは、佐藤だった。 「…それじゃあ、行きましょうか。芹沢さん」 芹沢『さん』は、まだ慣れない。 慣れたくもない。 オレは佐藤に昔みたいに相談してほしいのに。 …しばらくタクシーに乗ると、こじんまりとした料亭へ着いた。