バタンッ
「…続きを、どうぞ。」
佐藤は扉を閉めるなり言った。
「どうぞ、って…
佐藤、お前はそれでいいのか…!?」
「何の話ですか??
それに、先程も仰っていましたが、何故私が苦しんでいると?」
「電話で、あんなつらそうな声をして…
平気だと言い張るつもりか!?」
「聞いていたんですか。
…だからなんです?
これが社会だ。これが“天才”だ。
わたしはうまくやっている。
すべて良い方向に向かっている。」
「本気でそう思ってんのかって聞いてんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
初めて、佐藤にこんな言い方をした。
そのためか、佐藤も目を見開いている。
「オレは…佐藤が辛いなら、困ってるなら、頼って欲しい。
悲しいなら、慰めたい。
それは…佐藤も病院に対して、そうなんじゃないのか?
佐藤が話したくないならそれで良いとか、オレはそんなに甘くない。
話せよ。
オレは聞くまでこの部屋をでない。」