「トモキ!」
手首を掴まれる。
それだけで、アイツの…芹沢の熱が、俺の熱と混ざり合う。
「…もう名前を呼ばないでください。
貴方は部下で、私は上司だ。」
後ろを向きながら、俺は言った。
「…佐藤。
どうして俺にキスしたの?」
「…」
しるか、そんなもん。
「なんで名前を呼んでって言ったの?」
「空耳でしょう。
今度耳鼻科を紹介して…」
巧く、誤魔化せ。
今までのように。
「俺を誤魔化せると思ってるの?
佐藤にこの7年間で何があったかは知らない。
でも俺を他の奴らと一緒にしないでよ。
これでも元学年一位なんだからさ。」