「沙良、歩ちゃんのこと、すごい好きでね。一年の時からずっと。だから、仲良くしてる女の子を見ると、やきもちを止められないみたいなんだ」

「……はい」


東郷先輩のことが好きだという気持ちは、痛いくらいに伝わって来た。

好きで、好きで、気持ちが歪んでしまうほどに、好きで。

あたしに向けられた怒りや憎しみも、元を正せば、ただ恋する純粋な気持ちなんだ。

可愛そうな人だと、思う。

鳴海先輩の言わんとすることをあたしが理解したことに満足したのか、鳴海先輩はほっとしたような笑顔を浮かべた。


「何かあったら、頼って。歩ちゃんでもいいし。あんまりひどいようだったら、歩ちゃんから沙良に言ってもらうから」