優しく言う大和さんに、大雅さんはついにぽろっと零した。



「自信が、ないんだ」


「自信?」


「俺、自信がないんだ。兄貴みたいにちゃんと好きな人を守れるのか。
俺は正直言って兄貴みたいに頭いい訳じゃないし、男前でもない」



「男前だよ、お前は」



「そんな事、ないんだ!」


いつも優しくて、温厚な大雅さんからは想像が出来ないくらいの大きな声。



店内がしーんと、静かになる。



「俺、将来の事が見えてないんだ。何をすべきなのか、何をしたいのか。兄貴みたいに夢も何もなくて、ただ大学に通ってるだけで」



わたしも、大和さんも大雅さんの話を黙って聞く。