大和さんの答えを待たずに店を出た。



チエが行った方向に目を向けたけれど姿はどこにもない。



今から追いかけるのは無理だ。


「大雅さん!」



わたしの声に肩をびくんと震わせた大雅さんが、ゆっくりとこちらを向いた。



「こはるちゃん」


今にも泣きそうな顔。


とりあえず、と大雅さんの腕を引っ張り、店に連れて行く。



追いかけるのは難しいけれど。


わたしは今大雅さんと大和さんと一緒にいる事をチエにメールで送った。


「大和さん、大雅さん連れて来ました!」

「お前が勝手に連れてきたんだろうが!」