車に乗り込んですぐに大和さんに怒られてしまった。
視線はまっすぐ前を向いたままで車を走らせる。
「学校サボって、親に迷惑かけやがって」
「ご、めんなさい」
「ごめんなさいってなぁ!…まぁいーわ。とりあえず帰るぞ」
こんなに怒る大和さんを、わたしは初めて見るかもしれない。
その姿を見るだけで自分がしてしまった事の重大さに気付く。
「お前が学校サボった理由ならチエちゃんから聞いた。悪かった、って謝ってたぞ」
チエ。違うのに。八つ当たりしたのはわたしの方。
「ま、学校くらいは俺もサボった事あるしな。それに関しては別にそこまで怒る気はねぇけど」
ならどうして怒ってるの?
そう聞こうとした時には車は大和さんの家の前まで来ていた。
「降りろ」