隆紀が問う。
「…言おう。拓人、言わなきゃ変われない」
「だな…俺ら、昔は3人である街の最強と呼ばれていたんだ…
ある日、歩いているとなんとなく俺が横の細い路地に目をやった瞬間
すごいものを見たんだ。
未花が、男10人に囲まれていた。
怯えもせず、鋭い目つきをして男共を睨んでいたんだ。
襲いかかってくる男を避け、止め、
相手には怪我を与えなかった。
すごいと思った。憧れたんだ
だけど、俺らにそんな能力はなかった
その日の晩、俺らも未花のように避け続け、相手が疲れ果てるのを待った
が、相手が悪かった
ナイフを持っていたんだ。
幸汰が刺された
俺は我慢ならなかったが、俺も3度ほど腕を切られて動けなくなって
真矢は服を脱がされかけていた
その時、未花が来たんだ。
『私みたいになりたければ、もっと強くならないといけないんだよ?』
そういって、5分も立たないうちにその族を潰したんだ。
『私は誰かが傷ついた時、はじめて殴る。はじめて蹴る。はじめて潰す。
それまで、我慢し、耐える力がなければ
無理なんだ』
そう言われたときは、悔しかった
『仲間になる?気に入った』
そう言われたとき、俺らは救われた。
意味のない喧嘩をやめた。
未花に救われたんだ…
」