「すご…穴場だったんだ…!」


 あれ…春樹は知ってたのかな…?

 そう思って春樹を見ようとした。


「…ッ!」


 春樹と、あたしの手が繋がる。

 あたしはただ、呆然と花火を眺めた。

 ―トクン…トクン…

 体の中から、優しい音がした。

 繋がれた手から、熱が伝わってくる。

 春樹…春樹はあたしのこと、どう思ってるのかな?

 あたしは…春樹のこと、どう思ってるのかな?

 好き…なのかな?

 よくわかんない…。


「ねぇ、春樹…?」

「ん…?」

「穴場だって、知ってたの…?」

「…知らなかった。
 ラッキーだな!」


 子供のように顔をクシャクシャにして笑う。

 胸が、きゅううう…って、苦しくなる。

  好 き

 すとん、と…自然にあたしの心に落ちてきた。

 抑えられないよ…この気持ち。


「…好き」

「え…?」


 ――好きなんだよ…春樹のことが。