「大好き!打ち上げだと黙っちまうから、手持ちのほうが楽しくね?」

「わかる!皆でワイワイやるのが楽しいよねっ!」


 もちろん打ち上げも好きだけど。

 手持ちにもいいところはあるってゆぅか。



 2人だけだけど…きっと、最高の思い出になる。







 楽しい時間はあっという間で…最後の線香花火。


「線香花火やってるとさ…切なくなんの。
 可笑しいよね?」

「や、可笑しくねぇよ…俺もそんな感じするしな」


「ふ…そっか」


 少しだけ首を動かしたら、火の玉落ちた。


「あ〜!!落ちたぁ〜〜…」

「あ〜あ〜…」


 ジーッと春樹の線香花火を見る。


「あたし、1回だけ最後まで落ちなかったの見たことあるんだ…」

「へぇ〜俺見たことねぇや。
 …これがなったらいいけど」

「うん…」


 視線をずらして春樹の顔を眺めた。