今でも覚えてる。


『大切な人だから!!』


 って、叫んだこと。


『芳斗のこと好きだから…光や春樹たちとは違うよ?
 男の子として好きなの。
 居場所ないなんて、言わないで?
 涼の隣は…芳斗のつもりだから』


 それが、涼の…生まれて初めて人に言った、「好き」だった。







「それでぇ、芳斗からも『俺の隣は涼だけだから』って言われて今に至るわけですっ!
 きゃー、もう恥ずかしいーーーッ!!
 …って、藍架何で泣いてんの?!」

「ごめ…ッ!何か、かんど…しちゃ…うぅ…ッ!」

「泣かないでー?よしよし」


 不安げな顔をしてあたしの頭を撫でる涼。

 何ていい話なんだろう…ッ!

 そこら辺の本より感動するよッ!!


「今まで芳斗のこと無表情とか影薄いとか思っててごめんねーッ!」

「仕方ないよーほんとのことだし」