「ん〜まぁ…芳斗は涼と境遇が似てたんだよ。
 でも、会わせてくれたのは光なんだけどね?」


 大きな岩に座って、足だけ海に浸ける。

 火照った体に気持ちいい。


「涼が話していいのかわかんないけど…芳斗の家、お父さんが浮気してたんだって。
 それでお父さんと瓜二つの芳斗に八つ当たりして…小さい頃からずっと、お母さんから暴力振るわれてたんだって。
 そのせいなんだろぉね…感情なくなっちゃったみたいになって…でも、今はまだいいほうなんだよ?」


 あの無表情がねぇ…。

 そんな理由だったなんて…。

 でもその前にッ!涼のその穏やかな表情…。

 ―キュピーンッ!

 はい、キュピーンッ!と来ましたぁッ!!


「涼、芳斗のこと好きでしょ?!」

「ん?うん、好きだよ〜♪」

「違う!友だちとしてじゃなくて、男として!!」

「うん、だから好きだよ♪
 変な藍架〜」