「挨拶するから起きて!」

「ぁ…う、ん?」


 あたしが席を立ってようやく挨拶をする。


「ありがとうございました〜」


 あたし…マジで寝てた…?

 うわぁ…恥ずかしい!!

 ヨダレ垂らしてないよね?!

 机を見ると少し滲んだ問題用紙。

 …やっちゃった…?


「大丈夫…?」

「あ、うん!
 起こしてくれてありがとう!」


 前の席の子に礼を言う。

 すると、その子は不安そうな顔のまま言った。


「じゃなくて…藍架泣いてたよ?」

「―――ッ」


 マナやチカに呼ばれて、何とかその場を去った。

 その子には、苦しい言い訳をして。


「藍架起きないんだもんー。
 みんな笑ってたよ?」

「てゆーかあたしらも笑ってたんだけどね♪」

「夢見ちゃってさぁ〜あははっ」

「えーどんな夢??」


 目を輝かせて2人が聞いてくる。