ねぇ?もっと笑って?

 あなたの笑顔が好きなの…。

 2人並んで街中を歩く。

 すれ違った女の子たちがもう1度振り返ってあたしたちを見る。

 まるで恋人同士みたいだね、って…女の子たちが睨んでくるの。

 でもそんな視線ぜんぜん気にならないくらいあなたの笑顔に夢中で。

 は な れ た く な い 

 愚かにも、そう願ってしまう。

 ―――その瞬間

 隣にいたあなたが風のように消えていく。

 待って…待って!

 伸ばした手は空を掴んだ。

 どうやっても手に入らないあなた。

 どうすればいい?…どうすれば良かった?

 ねぇ…教えてよ…

 あたしに出来ることなら、何でもするから…

 離れていかないで…っ!


「…か…ぃか…藍架!!」

「…ふ…ぅん?」


 あたしの肩を揺らして起こすクラスメート。

 あれ…テストは…?