「藍架お姉ちゃんっ!」

「あ、まおちゃん!」


 勢い余って抱きついてきたまおちゃんを受け止める。


「あのね、すごかった!!
 藍架お姉ちゃんお歌上手なんだね!
 それでね、それでね…!
 やっぱり、光お兄ちゃんたちのお歌聴くと、元気がもらえるの!
 まお、これから手術だから…不安だったけど、元気もらったよ!
 ありがとう、藍架お姉ちゃん!!」

「…うん、どういたしまして!
 あ、これ前に言ってたお土産!
 うちにあったお古だけど、使ってね!」


 そう言って落書き帳と鉛筆、色鉛筆を渡す。


「わぁ…っ!ありがとう!!」

「手術、頑張って…これでいろんな絵描いて、あたしにも見せてね?」

「うん、約束ね!」


 小指同士を結ぶ。

 本当に小さな指。