でも…違うよね?
それはただの強がりで、心は泣いてるんでしょ?
「座って話そ?」
「…うん」
病院の中庭のベンチに座る。
「涼の家ね、由緒代々続いてる家なの。
それで、第一子は男…って決まってたんだけど、涼でね。
それが原因でね、小さい頃はよく叩かれたりしてたの。
まおちゃんもそんな感じで…生まれつき心臓が悪かったんだって。
お兄さんはすごい出来のいい人で、いつも比べられてて…
でも、いい子に育ってるでしょ?
明るくて、人を笑顔にする…
涼にとってまおちゃんは天使だから、藍架にも会わせたくって…
いきなり連れてきちゃって、ごめんね?」
涼は自分の話をすぐ終わらせてまおちゃんの話にしたけど、本当は…自分のこと話すの辛いんだよね。
あたしだってそう思うよ。
涼がいつも明るいのは大人しくしてたら思い出しちゃうからなのかな。
「涼…まおちゃんに会わせてくれて、ありがとう。
それから…涼が生まれてきてくれて、よかったよ…」