「みんなは涼が相手するから、藍架もまおちゃんと話してきなよ!」

「…うん!」


 まおちゃんに歩み寄る。


「初めまして、藍架です。
 よろしくね!」

「まおです。よろしくね」


 まおちゃんの笑顔は、普通の子供の笑顔とは違って…心が少し、優しくなる。


「まおちゃんは何歳?」

「9歳だよ。
 藍架お姉ちゃんは、涼お姉ちゃんたちと同じ年?」

「うん、そうだよ」

「最近、涼お姉ちゃんたちと仲良くなったの?」

「うん、ほんとにちょっと前ね」


 まおちゃんのしゃべり方は、落ち着いてる。

 下手したら涼より落ち着いてるんじゃないかな…?


「まおね、音楽好き」

「ほんと?
 じゃあ今度のライブ、頑張るねっ!
 あとは何が好きなの?」

「あのね…お絵描き」

「そっか〜」


 なぜか、悲しそうな顔をするまおちゃん。

 小さな手を見ると、たこは…ない。