光は…いつだってそうだ。

 すぐに雰囲気を変えちゃう…。

 ――そんなところが、あたしは好きで


「…っ」

「…何、泣きそうになってんだよ」

「…なってない」

「なってる」


 頬を包まれて、優しく涙を拭われた。

 言っちゃいけない…でも、言いたい…。


「光…」


 至近距離で、その茶色の目を見つめた。

 この気持ちを伝えたら…きっと君は離れる。

 だから言わない…どんなに切なくても。


「…そんな目で見るなよ…」


 そう言った光の顔が近付く。

 そして――刹那、


「―――っ」


 影が1つに、重なった。

 ただ、その瞳を眺めることしか出来なくて

 世界が止まった気がした。


「…ひか…る?」

「おまじない。大丈夫だ」