「藍架」
「はいっ?!…何っ?」
「ブッ…ンな緊張すんなよ」
そう言って微笑む光を見て、違う意味でも心臓が鼓動を速くする。
あの頃よりだいぶ大人っぽくなった光。
眉間にシワを寄せることはほとんどなくなって…表情が柔らかくなった。
ゲーム機をほっぽって、あたしのところに歩み寄る。
もう、あたしが見上げる番だった。
下から見る光はやっぱりカッコよくて…涙が出そうになった。
あの日決めたように…この想いは、伝えない。
伝えてしまったら関係が崩れると…わかっているから。
「失敗したって誰も怒んねぇよ」
「…怒るじゃん」
「うっせ、バーカ」
「はあ?!バカってゆうほうがバカじゃん!!」
「お前も言ってんだろ」
いつか交わした会話に、緊張が緩んでいく。