「くっそっ!」

「わ…っ」


 急に出された手に驚いて足がよろける。

 そしてそのまま、床に倒れた。


「いったぁー…」

「いってー…」


 至近距離で声が聞こえて顔を上げた。

 鼻と鼻が触れ合うくらい近くに、光の顔があった。

 押し倒されたあたしの上に光が馬乗りになっていた。

 それはまるで、初めて会ったあの日みたいだった…。

 ―どくん…どくん…っ

 2人とも動かないで、そのまま固まっていた。

 光も、思い出していたの…?


「2人とも大丈夫ー?!」

「怪我ないか?」

「光ー?藍架ー?」

「あ…っご、ごめんっ!」

「あ…いや、」


 春樹の手を掴んで起き上がる。

 光が掴んでた肩が熱い。