「…でも、音符意味わかんない…」
「涼と一緒にやろ?
そしたら大丈夫☆」
にっこり笑って手を繋いでくる涼。
「ベースなんてやったことないよ?」
「大丈夫!俺が教えてやるからさっ!」
力強い笑顔を向けてくれる春樹。
「…でも…、」
「諦めるのはやる前じゃなくて、やったあとからでもいいんじゃないか」
静かに言うからこそ、重みのある芳斗の言葉。
「…」
あの人にも、言われた言葉…。
――諦めるのはやる前じゃなくて、やったあとにしろ――
そっと目線を上げて…春樹を見る。
「…ん?」
「…教えて、くれる…?」
「もちろんっ!」
あの人そっくりの太陽みたいな笑顔。