「やだ、お兄ちゃん…っ、お兄ちゃん!!!!」







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 …お兄ちゃんは助からなかった。

 死に顔はとても綺麗で…微笑んでいるようだった。

 アイツは捕まり、よく晴れた日…お兄ちゃんは旅立った。

 お兄ちゃんのベッドには、震えた文字で一文書かれた紙があった。

 手紙とは言えないくらいの短さ。

 ただ、『あいしてる』それだけの文。

 お兄ちゃんが入れられたお墓の前に立つのは嫌だった。

 んーん、お兄ちゃんが燃やされるのも…嫌だった。

 けど、あたしのせいで死んでしまったから。

 頭は現実を、悲しいくらいに認識した。

 お母さんも仕事に復帰し、あたしも学校へ。

 でもそこは、地獄だった。

 ただ歩くだけで陰口。