音楽は聴くのがいいもん。

 自分がやるのは別だし…。


「なんでそんなに嫌がんだよ?」

「アヒルとか?」


 またにやにや笑い出す小ザル。

 春樹の問いには答えずに小ザルを睨んだ。


「事実とか〜?」

「…」


 耐えろ、耐えるんだ藍架…!!!!

 そばには春樹がいるんだからっ。

 でも、あぁもう…ッ!

 音楽をやらない理由、言ってしまおうか…ッ!

 言ったほうがマシなら…言うッ!


「悪い?!」


 もう開き直りで、言った。

 どうせあたしは音楽向いてませんよ!


「「「「…ぷっ!!」」」」

「全員で吹き出すなッッッ!!」

「「「ナイスツッコミ☆」」」

「グッジョブ」


 もぉ〜〜!!

 だから言うのやだったのにッ!!

 全員で爆笑してるし…っ!


「だからあたしはバンドやんないから!!!!」

「大丈夫だって。
 失敗したって誰も怒んねぇし、やったほうが音楽上がるかもだろ?」


 少し笑いながら小ざるが言う。