気付いたけど、言って欲しかったの。

 言葉が欲しかったの。

 決定的な…言葉を。


「ほんとだよ。…愛してる」


 胸がさっき以上に締め付けられて、涙が溢れ出す。

 でもこれは…嬉し涙だから。

 我慢しなくてもいいよね?


「ふ…ひ、ぅえ…ッ」

「ふ、不細工」

「ひどぉい!」


 春樹のせいなのに!

 あたしの鼻を摘まんで、至近距離で見つめてくる。

 熱くなる頬を無視して、下から睨んだ。


「嘘だって、可愛い」


 手を離して鼻の頭にキスを落とす。

 キス…を――…


「ひゃああああぁぁッ!!
 ななな何すんの!?」

「え…キスだけど。
 初めてじゃないだろ?」

「〜ッ!」


 春樹、平然としてるし…ッ!

 こうゆうこと慣れてるんだ…!


「もしかして今まで彼氏いなかったとか?」