だからこそ、その大切さを知ってる…。

 だから春樹は、こんなにも優しくて強いんだね…。


「春樹、辛かったね…。
 でももう大丈夫だよ。
 あたしはどこにも行かないから。
 春樹のそばにいるから…」

「藍架…」


 腕の力が緩んで、あたしの顔が春樹の目に映る。

 人の瞳を綺麗だと思ったのは初めてだった。


「俺、大切な人を作ったら無くしたとき怖くなるって思った。
 だから…でも、やっぱり…」

「…?」

「…藍架が好きだ」

「え…!?」


 春樹が、あたしのこと――!?

 うそ…ほんとに…?

 でも何で……?

 って、さっきの理由か…。


「ほんとに…?」

「あぁ、ほんと」

「嘘じゃない…?」

「嘘じゃねぇよ」

「ほんとに…ほんとに…?」


 あたしを見る春樹の優しい目。