どうしよう…どうしよう。
鞄を持って、ひたすら春樹の斜め後ろを歩いていく。
力強いし…何も言ってなかったから怒ってる??
「あれ…AIKAー!?
久しぶり!」
「えっ?あ…」
ストリートのときのお客さん!
「お久しぶりですー…」
「最近どうしたんだよ?
もうやんねぇの?」
「え、いや…あとちょっとしたらやる予定です!」
「そっか〜…じゃあまたね」
「はい!」
あ〜…変なこと言われなくて良かったぁーッ!
春樹たちと暮らし始めてから言えなくって、歌ってなかったんだよね。
「今の誰?」
「え、っと…」
何て答えればいいんだろ…?
「あの…」
言葉、出てこない…。
ただ立っているだけのあたしを、春樹が引っ張る。
「話そうぜ」