ほんとによかった…。

 涼は幸せにならなきゃだもん。

 ご両親のことだって、きっと千夏瑠依が何とかしてくれる。

 涼のこと大切に思ってるんなら、いつか出来るはずだよ。


「藍架、帰ろうぜ?」

「え?でもまだ…」

「いいからいいから」


 涼と引き離されて、春樹に手を引かれる。

 何かちょっと、強引じゃない…??


「じゃあ俺ら行くな!」


 光たちに手を振って、歩き出した。


「ねぇ、春…」


 それ以上言えなかった。

 春樹の手が震えていることに、気付いてしまったから。