「〜…!」

「!…っ?…ッ」


 声が聞こえる。

 誰…なおにぃ…?

 ちがう…涼…?


「〜ッ!…ッ!」


 涼…泣いてるの…?

 泣かないで…涼。

 涼が泣くとあたしも悲しいから


「…なか、なぃ…で…」

「「「「ッ、藍架?!」」」」


 珍しい…芳斗が焦ってる…。

 身体を起こそうとすると、節々が痛んだ。


「ったぁ…ッ!」

「無茶するなッ。
 全身打撲なんだ…」

「!?…よ、芳斗…ッ?」

「?何だ?」


 こんなに喋る芳斗、初めてだ…。

 夢じゃないよね?

 そう思ってもさっきの痛みが現実だと知らせる。

 そうだ…マナ、チカ…ッ。

 ッ、泣いちゃダメだ…ッ。


「藍架、大丈夫…??」


 差し出された涼の手を、振り払った。

 …ごめん、涼…。

 でも、あたしは……