「涼は…ッ」

「涼は何もしてないよッ!!
 ただ、筆箱に手入れたら何かで切っちゃって…」


 すでに涙目の涼を、左手で撫でる。


「大丈夫だから、泣かないで。ね?」

「でもッ!涼のせいかも…ッ!」

「とりあえず保健室行くぞッ!!」


 春樹に腕を掴まれて連れて行かれる。

 そんなに心配しなくていいのに…。

 やっぱり、家族だから…?







 保健室の先生に手当てしてもらって、教室に向かう。

 春樹は先に行っていいって言ったから、いない。

 やっぱりこれも…ファンクラブの人たちのせい…?


「あ、藍架ーッ!」

「!?…あ、マナ、チカッ!!」

「久しぶりー♪」


 久しぶりに会った親友たちにテンションが上がった。

 だってクラス1番離れてるから全然会わないし!