いや、大丈夫…だよね。


「何よ、もう…っ」

「早く教室行こうぜ」

「え、あ…うん」


 こうやって光と歩くの、いつぶりだろ。

 確か…春樹に会いたいか?って聞かれたとき…?

 朝練をする声を聞きながら、あたしたちは静かに歩いた。







―――――







 あの日はそれだけだった。

 あれから何もされてないけど…、逆に怪しい。


「はぁ…」


 落書きしようと思って、筆箱の中に手を入れた。


「あーいかっ♪」


 どんッ、と背中を涼に押されて――

 ―ザクッ


「ッ、ぃたッ!!」

「え…?」


 急いで手を抜く。

 人差し指が、ザックリ切れていた。


「藍架、どうした?!」



 春樹たちがあたしの指を見て、そばにいる涼を見た。


「涼、何かしたのか?!」


 涼に詰め寄る春樹。