「敬語なんかいいよ。
 同い年でしょ?」

「ふっ…うん」

「お人好しだな…アンタ」


 呆れたように笑う千夏を見ながら言う。


「アンタじゃなくて藍架!
 瀬戸 藍架って名前があんだからね」

「へーへー…サンキューな、藍架」


 キョトンとしながら首を傾げる。

 あたし…何かしたっけ?

 いろいろありすぎて何言ったか覚えてないんだけど…。


「それより…引き留めたのは僕たちだけど、怒られるんじゃ…?」

「へ…?」


 ケータイを取り出して時間を確認すれば…4時37分。


「ぎゃーーーー!!!!
 やばい!!!!」

「ごめん!僕たちの所為だね…」

「あ〜いいって!何とかなるし!
 じゃあね、千夏瑠依!!」


 何とかならないかもだけど…。







 案の定、光には入った途端飛び蹴りを喰らわされたけど…

 あの時間はムダじゃなかった、って…そう思うよ。