涼と同じ少し茶色がかった目はいつか見た寂しげな目と一緒。


「…でも、姉さんもわかっているんです。
 両親の代わりに僕たちが虐げていること…」

「涼は何も言わないんでしょ?
 自分の為にしてくれてるってこと…。
 でも、涼は自分の為にアンタたちがその手を汚すこと、望んでない。
 それだけはわかってやりなよ…」


 優しい涼の考えだもん。

 この間だって、泣きそうだったし…。


「ねぇ…普通に喋ってみなよ?
 きっと、喜ぶよ?」

「でも…僕たちが話しかけて、笑ってくれるでしょうか…」

「大丈夫!あたしの知ってる涼は、どんな奴にも笑顔で話してるよ」

「…ありがとうございます」


 涼みたいなふわっとした笑顔。

 やっぱり、姉弟だな…。

 笑顔がそっくり!