ですが――第一子は姉さんでした。

 生んだ母は悪くない。

 勝手に出てきた姉さんが悪いのだと。

 そのせいで姉さんは虐待を受けるようになりました。

 小さい頃はまだわかっていなかったんです。

 ですが小学校の高学年に上がってから僕たちは母に聞きました。

 何故姉さんは虐待を受けなければならないのかと。

 母は…アレがでしゃばるからよ、と言いました。

 それからも家族からの虐待は続きました。

 姉さんは何も言わずにただ謝るだけ。

 しかし、両親や親戚がいないところではただ傍観しているだけの僕たちにも姉さんは優しかった。

 どんなに怪我をしていても笑って大丈夫、と言う姉さん。

 そんな姉さんを見ているのが辛かった。

 そして僕たちは決めたんです。

 母や父に姉さんをいじめさせないと。

 2人は姉さんに手をあげていましたし、僕たちは見ていることしか出来ない。

 姉さんの身体に傷が出来ていくのが耐えられない。

 だから――僕たちが姉さんを…っ