さて、と言うようにあたしに向き直る。

 こうやって正面から見ると、やっぱり涼と似てる。

 男と女だから、多少の違いはあるけど。


「姉さんから、水羽家の第一子は男――と決まっているのは、聞いていますか?」

「それは知ってる」

「なら話は早いですね」


 記憶を辿るように、目を瞑って少しずつ話していく瑠依。

 千夏は、話す気はないらしい。

 黙って空を見上げていた。