「ふぅ…疲れたな」
薄く光る夜空を見上げて、呟いた。
―――――
新年会から、ちょっと経って。
あたしは光に呼び出された。
「なぁ藍架」
「なにー?」
「お前…兄貴いんの?」
「…」
なんで、光がそんなこと知ってるんだ…?
あ、こないだ運んでもらったとき?
写真見られたんだ…。
「…いるよ」
「なんで死んだの?」
「…っ」
ぎゅっと拳を握った。
息が荒くなっていく。
「藍架?」
「…光には、関係ない」
お願い…思い出させないで。
思い出したくない。
“あのとき”のことなんて…っ!
「光には関係ない。
光には関係ないっ!」
「わかった!わかったから…」
光が肩を掴んだ。
光って…わかってるのに。
身体が震えて仕方なかった。