「あ"〜つっかれたー…?」


 棚に置いてあるテディベア。

 机の上には写真立て。

 女らしいとこもあんじゃん…。

 写真が気になって、机に近付いた。

 中学生?の藍架が男と笑ってる写真。

 男は…?


「…は…?」


 ありえねぇ…なんで…?







「ごめんね…あ、お茶でもどう?」

「いえ…あの、代わりに聞きたいことがあるんすけど…」

「ん?何?」


 藍架の母ちゃんがこっちを見てから、目を見て聞いた。

 1つの動揺も見逃さない。


「藍架の部屋の写真…あれって…」


 アイツなわけがない。

 アイツらは高校で初めて会ったんだから。

 じゃなきゃ俺に言ってくるはずだ。

 自意識過剰になってもいいくらい、アイツは俺を慕ってくれているから。


「…瀬戸 直樹。藍架の――兄よ」