「美紗さんはね、寂しかっただけなんだよ」

「…」

「2人とも若くに結婚して、周りも反対してたみたいで…お互いしか、信じられる人いなかったの。
 涼たちもそうだったから、よくわかるんだ。
 だからね、抱きしめて『そばにいる』って、言えばいいんだよって言っただけ」

「そっか…」

「うん」


 やっぱり、恋すると良くも悪くも変わっちゃうんだなぁ…。


「涼ちゃん、藍架ちゃん、飲んでるー?!」

「はい…って酒くさッ!!」

「もう〜飲まないでどうするのー?
 はい飲んで飲んで!」

「え、ちょ…っ」


 ごくり、とチューハイを飲み込む。

 呑んじゃったよ…!


「う…っ」

「嫌なことはお酒飲んで忘れなさい」


 悲しい顔をして、あたしの頭を撫でる。

 …何で……?


「いいことがあっても、飲…はッ!」

「え、美紗さん?」