やばい…あたし、諦めらんない…。

 春樹が好き…。


「おっ、着いた着いた♪
 ほら藍架、早く」

「…うんっ」


 春樹の隣が好き。

 あたしの名前を呼ぶ声が好き。

 笑顔も、大きな手も…全部全部…大好きっ。







 買い出しを済ませて、芳斗の家に向かう。

 お酒は買ってません!

 未成年だし!


「ここだよ」


 目の前にそびえ立つ大きなお屋敷。


「…は」

「ふっ、やっぱ驚くよなぁ」


 笑いながら入っていく春樹。

 芳斗も…お金持ち…。

 そりゃあ…私立だしね…。

 お金持ち学校だもんね…うん。

 あたしは自分を納得させてから入った。

 てか…芳斗の家、ゴタゴタしてたんじゃ…。

 お母さんとかどんな人なんだろ…。

 合いそうにないなぁ…。


「はぁ…」